特報・朝鮮学校補助金

東京と比べ「大甘」だった群馬県の調査 あわただしく決定した28年度分交付は正しかったのか

「朝鮮歴史」を日本語訳した教科書(星への歩み出版)。金日成などを礼さんする表現がたびたび見られる
「朝鮮歴史」を日本語訳した教科書(星への歩み出版)。金日成などを礼さんする表現がたびたび見られる

 群馬朝鮮初中級学校(前橋市)の補助金交付の適否を検討していた群馬県は3月31日、留保していた平成28年度分241万9千円の交付を決め即日、執行した。適否を判断するため半年に及ぶ調査を行ったが、決定は、あわただしいものだった。大沢正明知事は土壇場で朝鮮総連と学校の関係や拉致問題の記述が教科書にないことを課題として指摘し、改善されない限り29年度分以降は「交付しない」と明言した。ただ、28年度分の交付は「やむを得ない」と主張しており、矛盾が露呈している。

「反日教育確認されず」

 県が調査に着手したのは昨年9月。文部科学省が同年3月に交付目的に沿った適正な支出を求める通知を各自治体に出したことを受け、教科書の内容にまで踏み込んだ調査となった。これまでは授業の視察は行っていたものの、教科書内容を確認しておらず、初めての本格的調査となった。

 調査対象は中学2、3年で使用する「朝鮮歴史」と「社会」の教科書の一部翻訳と授業視察計4回のほか、収入や支出の財政面チェック、校長からの聴取などで、県議会に提出された調査報告書は約50ページにも及ぶ。

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