「新しいことをやるときは楽しかった。ロマンだね。業界にムーブメントが起きて、押せ押せムード。売れに売れた」
熱田さんはこう振り返る。ダイエーの「価格破壊」が下火になりつつあり、「安ければ売れる」が通用しなくなった時代。そこで熱田さんは価格や性能ではなく、「コンセプト」を前面に出し、「生活文化」を提案することで売ることを考えた。
入社当時は宣伝部に所属し、マーケット調査に携わった。旧弊に縛られず、新しい道を開拓した熱田さんの働き方は、漫画「島耕作」に通ずる。島耕作も大手電器メーカーに勤め、宣伝広告業を中心に、自らの信念に基づいて行動したサラリーマンだ。