浪速風

子供たちの疑心が心配だ

今年1月、島根県益田市で集団登校の小学生らに軽トラックが突っ込み、付き添っていた73歳の男性が亡くなった。男性は33年前に小学2年の次女を交通事故で亡くし、孫が小学校に入った15年前から通学路で見守り活動をしていた。身を挺して児童を守ろうとして、はねられたという。

▶悲劇だが、子供たちへの深い愛情と使命感に胸を打たれた。何という違いだろう。千葉県松戸市のベトナム国籍の小3女児が遺体で見つかった事件で、逮捕されたのは女児が通っていた小学校の保護者会の会長だった。2人の子の父親で、毎日の見守り活動もしており、地元では知られた存在だった。

▶事件が子供たちの心に傷を残さないか心配だ。頼りになるはずの大人に裏切られ、何を信じたらいいのか。新学期が始まって、近くの小学校の通学路にも保護者が立つ。寒い冬の朝も、雨の日も、本当にご苦労様である。優しく声をかけ、子供たちが元気にあいさつする姿にほっとする。