ビジネスの裏側

ホームドア導入で引退へ ラッシュ時5扉・閑散時は3扉「多扉電車」の先駆け、京阪5000系

首都圏では短命

 多くのドアを持つ車両は首都圏にも在籍した。JR東日本は山手線で、ラッシュ時には座席を完全に収納するタイプの6扉車両を平成3年、本格的に導入。それ以降、京浜東北線などにも広がった。私鉄の京王電鉄や東急などでも5扉や6扉の車両が次々と導入され、混雑緩和に貢献した。

 ただ活躍は長く続かなかった。姿を消した理由は5000系と同じだ。13年にJR山手線新大久保駅でホームから転落した男性を助けようとした韓国人留学生ら3人が死亡した事故が発生。視覚障害者の事故が相次いだことなどから、安全確保のためのホームドア導入が急がれた。

 ほかにも人口減少や新線開業で、かつてほどの殺人的なラッシュはなくなりつつあることも、多扉車の存在価値を消した。5扉車が現在も運行する東京メトロ日比谷線も、ホームドア設置に向け、32年度までに、すべてを4扉の新型車両に置き換える計画だ。

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