話の肖像画

中国人風刺漫画家・辣椒(4) 日本で出合った本物の民主主義

 〈今年2月、南京事件を否定する書籍を客室に置くアパホテルに抗議する在日中国人のデモが行われた東京・新宿の現場に赴いた。デモへの反対姿勢を示すことが目的だった〉

 自分の政治主張をアピールするデモ自体には反対しません。しかし、アパホテルに抗議する在日中国人らのやり方はあまりにも卑劣です。相手は国家権力ではなく民間企業です。その経営者の言論に不満があれば、証拠を示して堂々と反論すればよい。ボイコットを呼びかけたり、デモを行ったり、圧力を加えることは言論弾圧です。

 そもそも彼らはこれまで、自国の理不尽さに全く抗議してこなかった人々です。デモの背後に中国当局が暗躍していることは容易に想像できます。私はあるマンガを掲げてデモの現場に行きました。怒り狂ったパンダ(中国)がアパホテルの経営者を恫喝(どうかつ)しているその後ろで、自分にとって都合の悪い大飢饉(ききん)や文化大革命、天安門事件などを布で隠している絵です。全体主義の下に自国の歴史を捏造(ねつぞう)してきた国が、言論自由の国に対して指図する資格がないことを強調したかったのです。デモ参加者に猛省してほしいという気持ちを込めて描きました。

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