話の肖像画

中国人風刺漫画家・辣椒(3) 何度も「お茶を飲まされた」

 約束の日、警察署近くの喫茶店に連れて行かれ、お茶だけではなく、食事もごちそうになりました。彼らはイラストのことよりも、「普段どんな人と付き合っているのか」「周りに政府を批判する人はいないか」などについてしつこく聞いてきました。最後に「何か気づいたことがあれば、すぐに教えてくれ」と言われ、密告用の電話番号を教えられました。今から思えば、警察は当時、知名度も影響力もない私に興味はなく、私をスパイにして独立候補陣営の情報を探ろうとしていたのです。私はそのとき、独立候補と全く関わりはなく、何の情報も持っていませんでしたが、「知っていても絶対に教えない」と心の中で誓いました。

 〈その後、何度もお茶を飲まされたが、仲間やファンに助けられた〉

 最初にお茶を飲まされた後はしばらくおとなしくしていましたが、また作品を発表し始めました。警察に呼ばれる回数が増えると少しずつ慣れるもので、冷静に対応するようになりました。同じくお茶をよく飲まされる人権活動家らの仲間も増えました。最も印象に残っているのは2013年頃、警察があるマンガを問題視し、深夜2時に「今から来い」と電話してきたときのことです。「もう寝たので行けません」と断ると、「今から迎えに行く」と。心の底から恐怖を感じましたが、お茶仲間が教えてくれた対処法を思い出して、「A警察署のB警官が今から私を連行しにくる」とネット上で助けを求め、警官の名前と携帯電話も公開しました。

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