甲府商工会議所(金丸康信会頭)が公表した平成29年度の新入社員に対する意識調査で、6割を超える新入社員が「定年まで勤務したい」と回答。働く目的として「収入を得ること」が7割を超え最多だった。同商議所は「職場での人間関係を重視し、出世意欲が強くなく、安定志向が強い」と分析している。
「働く目的」(2つまで回答可)について、新入社員が最も多く挙げたのは「収入を得ること」で76・5%。次いで「人間的に成長すること」が39・2%。前年度比で14ポイントも減少した。「会社に貢献すること」は23・5%だった。
「入社後のキャリアプラン」については、「定年まで勤務したい」が62・7%で前年度(50・6%)から増えた。一方、「機会があれば転職したい」は15・7%となり、前年度を7・7ポイント下回った。
同商議所は「転職などのリスクを避け、長く安定的に勤めていきたいという傾向が読み取れる」としている。
その傾向は「職場に望むこと」(2つまで回答可)にも表れ、「人間関係が良いこと」が90・2%で最多。「能力が発揮できること」は前年度比で6・9ポイント減の37・3%。「人事が公平であること」は25・5%だった。
「目指すポスト」は「管理職(部長・課長)」が49・0%で最も多く、「役員」は21・6%、「社長」は13・7%だった。同商議所は「上へ、上へという野心が少ないことが見て取れる」と指摘する。
理想の上司像(同)は「仕事を丁寧に教えてくれる人」が68・6%で最多。「リーダーシップがある人」が前年度の33・8%から大きく増加して47・1%。「仕事ができる人」は25・5%だった。
調査は3月中旬、会員企業などに採用された51人を対象に、無記名方式で行った。