防衛最前線(117)

もしも国内で陸上戦が勃発したら…要となる「82式指揮通信車」 ゴジラに何度も出演

 一方、車体の天井には円形のハッチがあり、そこから身を乗り出した隊員が観閲式のときには部隊旗を掲げるほか、搭載した重機関銃などを操る。映画「ランボー」に登場するような重機関銃の口径は12・7ミリで、ヘリコプターを撃ち落とすことも可能だ。

 運転席のフロントガラスはそんなに大きくないが、危険な時には鉄板を閉めて、その隙間からのぞきながら運転することも。乗車経験のある陸自関係者は「そうなると、運転はかなり大変だ」と苦笑いする。

 装輪ということもあって最高速度は時速100キロに達し、高速道路を走行することも可能。ただ、前述のように運転席からの視界はそんなに良くないので、先の陸自関係者は「実戦ではなく演習であれば、走行車線をそんなに速くはないスピードで走るのが普通ですね」と話す。運転操作はマニュアル式で、運転をするには特別な教習課程をこなす必要がある。

 このような82式指揮通信車だが、実は映画やテレビ、アニメや漫画といった作品での登場が多い。「シン・ゴジラ」(庵野秀明総監督/樋口真嗣監督)などのゴジラシリーズをはじめ、自衛隊が登場するシーンの数々に出演している。その理由について陸自関係者は「指揮通信車といわれるだけに指揮官が乗っているシーンで攻撃命令を下したりする際に必要なのではないか」と推し量る。

 思わぬところで自衛隊の顔となっている82式指揮通信車は登場から35年が経過するが、今後も当分の間は部隊の先頭を走り続けることだろう。(政治部 小野晋史)

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