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兵庫県尼崎市が作成した江戸時代の人形浄瑠璃作家、近松門左衛門をモチーフにしたロゴマークに〝そっくりさん〟の存在が明らかになった。酷似したロゴマークの出どころは市内の商店主らでつくる「尼崎あきんど倶楽部」。市のロゴは公募で平成2年に誕生、同倶楽部は11年ごろから使用を始めたとみられ、「市の了解も得ている」と主張するものの記録は残っていない。知的財産権に詳しい専門家が「明らかなパクリ」と明言するロゴ。市はロゴの変更を求めているが、果たして解決の糸口は…。(沢野貴信)
無断改変は著作権侵害
「知れば知るほどあまが危機」
昨年9月、尼崎市議が作成した市政を揶揄(やゆ)する市政報告のビラが問題になった。発端は市民からの通報。もとは昨年、市制100周年を記念して市が作ったロゴのコピー「知れば知るほどあまがすき」。笑顔になるようデザインされた「100」の文字も泣き顔に変えられた。
市が問題視したのは無断で市のロゴを改変、使用したことだ。市議もブログで反省の言葉を載せ、著作権侵害問題は一件落着と思われたが、騒動は別のところにも転がっていた。
市内の商店主らでつくる異業種交流団体「尼崎あきんど倶楽部」のロゴが、市が平成2年から使用するロゴとそっくりだったのだ。
市のロゴは近松の「ちょんまげ」と尼崎市の頭文字の「a」をモチーフにデザインされた。色は単色。一方、あきんどのロゴは「商」の文字が加わり、円の周囲に「尼崎あきんど倶楽部」「尼崎商工会議所」の文字が配置され、単色だったロゴは青と緑の2色になっている。