浪速風

万博でそろばんを弾く前に

2065年に日本の人口は8808万人に減るという推計が発表された。高齢化も進み、65歳以上が38・4%に膨らむ。一方、25年に大阪で開催を目指す国際博覧会(万博)の誘致が閣議了解された。2つを並べたのは、大阪万博のテーマが「いのち輝く未来社会のデザイン」だからだ。

▶大阪万博は約1250億円の会場建設費を、国、自治体、民間で3分の1ずつ負担し、来場者は2800万〜3千万人、経済効果は1兆9千億円と見込む。会場に隣接して統合型リゾート(IR)の誘致ももくろむ。生命科学や人工知能(AI)、ロボットなどの最先端の科学技術を体験できる場になるのだろう。

▶が、見本市のような万博では意味がない。日本だけでなく先進国のどこもが、人口減少と高齢化に直面している。逆に途上国は、人口爆発、食料難、環境破壊などが喫緊の課題である。その答えとして「いのち輝く未来社会」を示せるか。そろばん勘定はそれからでいい。