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日本統治下で国内の炭鉱などに動員された朝鮮人たちは劣悪な環境で「奴隷」のように働かされた。給与もないか、あっても少額にすぎなかった-。こんな一方的な見方が韓国内では定着している。国際社会でもナチス・ドイツのユダヤ人強制労働と同列であったとのイメージは広がりつつある。
果たしてこれが「真実」なのかと疑問に思い、終戦前の資料を基に調査を行った韓国人研究者がいる。日本統治が朝鮮半島の近代化に与えた影響を調査する落星台(ナクソンデ)経済研究所の研究員、李宇衍(イ・ウヨン)(50)だ。
李は賃金支給の実態を無視した研究では、当時の実像をゆがめることになると考えた。炭鉱や金属鉱山で働いた朝鮮人労働者の賃金がどの程度支払われ、日本人労働者との賃金格差はどれくらいだったのか。李は炭鉱会社や業界団体の資料を中心に、朝鮮半島出身者の日本国内での労働状況を丹念に調べた。
李は国内の主要炭鉱山における待遇状況に関する昭和15年の『半島人労務者に関する調査報告』(日本鉱山協会発刊)から、46カ所の炭鉱山の平均データを抜粋した。