榊莫山と紫舟、芸術響き合う 奈良県立美術館15日から作品展

 榊莫山(さかき・ばくざん)さん(1926〜2010年)と紫舟(ししゅう)さんという奈良ゆかりの著名書家2人の作品が同時に並ぶ書の源流企画展「榊莫山と紫舟のシンフォニー(交響)」が15日から、奈良市登大路町の県立美術館で開催される。同館では榊さん、紫舟さんともに初の作品展で、それぞれの芸術世界が響き合う展観を目指す。前期は6月4日まで、後期は同6日〜7月23日。

 「莫山先生」として知られる榊さんは現在の三重県伊賀市で育ち、終戦後は奈良の書家、辻本史邑(しゆう)さんに師事。次第に独自の道を歩み始め、書の芸術性や現代的な意義を重視した。奈良に親しみ、東大寺僧侶らとも交流を深めた。

 今回、榊さんの作品は三重県立美術館の所蔵品を中心に約100点を展示する。このうち、「寒山拾得(かんざんじっとく)」は自由な境地で知られるこの伝説的な2人の人物に惹かれ画と書にした作品、「土」は土という漢字の根源的なイメージを表した作品。また、東大寺や室生寺など奈良の勝景を画と書で表した「大和八景」を前後期で各4点ずつ並べる。

 一方、紫舟さんは書家としての第一歩を奈良で踏みだした。平面の書だけでなく書の彫刻と光・影との融合、書と絵画、デジタル技術との融合へと書の可能性を広げ、国内外で活躍している。

 今回は代表作や最近作を含め約30点を披露する。書を鉄の彫刻にした「おはようありがとうごめんなさい」や、書を絵画と融合させた「天地開闢鶏図(てんちかいびゃくけいず)」などがあり、枠を超えた豊かな芸術性に触れることができる。

 月曜休館。ただし5月1日と「ムジークフェストなら2017」期間中(6月12、19日)、7月17日は開館し、同18日は休み。観覧料は一般400円、大学・高校生250円、小・中学生150円。

 4月29日午後1時半からは、狹川普文・東大寺別当と榊さんの長女、せい子さんの対談「我が師・榊莫山先生から学んだ創意の源流」がある。定員80人で先着順(午後0時半受け付け開始)。問い合わせは県立美術館(電)0742・23・3968。