主張

米国のシリア攻撃 蛮行許さぬ妥当な措置だ

 国連安保理で、アサド政権を支援するロシアは「シリアによる化学兵器攻撃というのは、でっち上げだ」と主張していた。米軍の攻撃については「主権国家への侵略」と反発している。

 シリア攻撃は、トランプ政権が米国単独での武力行使も辞さない姿勢を内外に示した。それは、ロシアに突きつけたものでもあることに留意したい。

 その結果として、トランプ政権が模索してきた親露路線の転換につながることも考えられる。

 ロシアとアサド政権軍が、米国の支援を受けてきたシリアの反体制派に対し、攻撃を強めることも予想される。米国と対立するイランがどう動くかも懸念材料だ。

 米国の攻撃が引き金となり、関係国が全面衝突し、戦争状態に発展することは、何としても避けなければなるまい。

 国際社会として、強く抑制を働きかける必要がある。

 《北朝鮮でも起こり得る》

 同時に考えておくべきは、シリア攻撃が核・ミサイル開発を進める北朝鮮への対応にも、影響を与えるということである。

 「シリアだけの問題ではない。同様の問題は北朝鮮など東アジアでも起こり得る」との菅義偉官房長官の認識は極めて正しい。

 北朝鮮問題を焦点に、フロリダ州で中国の習近平国家主席との首脳会談を行っているさなかに、トランプ氏は攻撃を実施した。

 北朝鮮の核・ミサイル開発を阻止するため、トランプ氏はオバマ前政権の方針を転換し、自衛的な先制攻撃を含む「全ての選択肢がテーブルにある」と、繰り返し強調している。「中国が北朝鮮の問題を解決しなければ、われわれがやる」とも明言している。

 その意味で、シリア攻撃は北朝鮮と中国に対する強力なメッセージとなったと考えられる。相手の出方が変わるのか、反発を強めるだけなのか、注視したい。

 日米間では、北朝鮮政策をめぐる調整を密にし、戦略目標の共有を図ってほしい。米国が北朝鮮への武力行使に踏み切ることも、当然、想定しておくべきである。