浪速風

「花に嵐」の週末だが

桜が咲き始め、多くの観光客を楽しませている=奈良市の奈良公園
桜が咲き始め、多くの観光客を楽しませている=奈良市の奈良公園

民間気象会社の調査で、花見好きは青森県民がトップという結果が出ていた。花見の予算は断然の1位で、花見を楽しむ時間(3位)、何時間前から場所取りをするか(4位)など各項目で上位に入った。北国生まれの小欄にはよくわかる。桜前線の到達は4月下旬。長い冬が終わり、待ちわびた春に心が浮き立つ。

▶関西でもようやく桜が咲きそろった。この週末が見ごろで、各地の花見の名所はにぎわいそうだが、あいにくの空模様が恨めしい。唐の詩人、●(迂のツクリ)武陵が詠んだ五言絶句「勧酒」の「花発多風雨 人生足別離」を、井伏鱒二が「花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ」と訳したのはあまりにも有名だ。

▶これに寺山修司は「さよならだけが人生ならば また来る春は何だろう」と返した。青森出身の寺山は、この季節に格別の思いがあったのだろう。にぎやかな宴もいいが、思索にふけるのもまたよし。「さまざまのこと思い出す桜かな」(芭蕉)。