浪速風

虐待死ゼロへの一歩

大阪府警が「児童虐待対策室」を新設した。専門部署を設けるのは全国の警察で初めてである。児童相談所(児相)などと連携して、虐待事案の把握や所在不明児の安否確認を強化する。ようやくの感がするが、一歩前進と評価したい。大阪だけでなく、この問題は深刻なのだ。

▶昨年1年間に、虐待の疑いがあるとして、全国の警察が児相に通告した18歳未満の子供の数は5万4227人に上った。前年比46・5%増というから驚く。しかも統計のある平成16年から12年連続で最多を更新している。大阪では昨年11月、堺市に住民票のある男児=死亡当時(3)=が遺体で見つかった。

▶父親が児童手当をだまし取ったとして逮捕されたのがきっかけだが、男児は所在不明児にカウントされていなかった。家庭内の出来事を把握するのは難しいが、ささいな通報でも真剣に受け止め、情報を共有していれば、救えたはずの幼い命は少なくない。虐待死ゼロは社会の責務だ。