手前みそのようだが、本紙東西両社会部による連載記事「戦後72年 弁護士会 第1部政治闘争に走る『法曹』」が面白い。日本弁護士連合会(日弁連)のあからさまな政治的な偏向と活動家的体質に対する指摘が、筆者の積年の問題意識と重なるからである。
3年前に福岡市在住の産婦人科医、天児都(あまこ・くに)さんを取材した際、こんな弁護士の背信行為について聞いた。
「立場が違うから弁護できない」
天児さんは父で同じく産婦人科医だった麻生徹男氏が、陸軍軍医少尉として中国戦線で慰安婦の検診を行っていたことから、自身も慰安婦問題に関し調査、研究をしてきた。
ある時、オーストラリア人ジャーナリスト、ジョージ・ヒックスの著書『慰安婦』を読むと、父について「慰安所の提唱者」などとデタラメな記述が目立った。さらに、父が撮った写真を無断掲載していたため、抗議の手紙を出したがなしのつぶてだった。
そこで天児さんが法的手段に訴えることを考えて弁護士に相談したところ、次のような理由で断られた。
「日弁連は、あなたと慰安婦問題に関する立場が違うから弁護できない」