バンクーバー朝日軍、記録後世に カナダ球界で活躍、チーム関係者の孫・松宮さん出版 滋賀 - 産経ニュース

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バンクーバー朝日軍、記録後世に カナダ球界で活躍、チーム関係者の孫・松宮さん出版 滋賀

 戦前のカナダ球界で活躍した日系移民の野球チーム「バンクーバー朝日軍」の活動記録を彦根市開出今町の会社役員、松宮哲さん(69)が自費出版し、4日発表した。チームの成績や詳細なメンバー紹介など、当時現地で発行された新聞などをもとに2年がかりで執筆。チーム関係者の孫でもある松宮さんは「出版を機に、彦根からカナダへの移民の歴史を伝える記憶遺産となるような資料館の建設を呼びかけたい」と話している。

 チームは彦根からカナダ・バンクーバーに移住した日系人を中心として1914(大正3)年に発足。白人チームを破りリーグ制覇するなど、当時人種差別に苦しんでいた日系人に希望を与えた。チームは第二次世界大戦で日系人が強制収容所に入れられるなどして解散。この逸話は平成26年に映画化された。

 松宮さんが執筆したのは「松宮商店とバンクーバー朝日軍-カナダ移民の歴史-」(サンライズ出版)でB5判248ページ。チームの成立からメンバー紹介、リーグ優勝などの活躍ぶりを紹介している。このほか、当時バンクーバーで日系人が営んでいた商店の写真や日系人の店舗が立ち並んだ地区の地図もある。

 松宮さんの祖父、外次郎さんはチームの運営責任者を務めていた。執筆の過程でメンバーの出身地も探し、選手のうち彦根市出身者が3人、米原市、長浜市が各1人の計5人いたことも分かったという。この日の発表には5人の子孫も出席した。

 カナダ移民に詳しい椙山女学園大非常勤講師の後藤紀夫さん(80)は「彦根のカナダ移民が現地で強い結束力だったことを痛感する内容」と評価している。書籍は限定500部。問い合わせは松宮さんの勤務先のマツミヤケミカル彦根工場(電)0749・25・3276。