スポーツの現場

女子バレーボール界を牽引した「サオリン」木村沙織さん、攻守万能のプレースタイル支えたサーブレシーブの開眼

 木村さんによると、体の中の息をすべて吐ききり、相手の動作に合わせてステップを踏んで備える。その一連の動作のリズムを一定にしたところ「呼吸があがることなく、目線もぶれず、ボールも見やすくなった」。

 その域に達したのは、2015年秋のワールドカップ(W杯)の大会後の頃というから、かなり最近の話だ。「(その極意が)最後の最後にわかった」と笑う木村さん。

 現役生活終盤の3シーズンでは、Vリーグのサーブレシーブ成功率のランキングで常に上位を争う存在にまでなっていた。

「バレーボールがすべてではない」

 木村さんはまだ30歳。惜しまれつつの引退になる。女子バレーボールでは一流選手でも、高校時代からの先輩で日本代表の中心選手だった大山加奈さんら、故障に悩まされた末に20代半ばで引退する選手も多い。

 その点で木村さんは「これまで大きなけががなかった。これは親に感謝だなと思う」と、故障に強い体に恵まれたと振り返った。

 現役を退く決断を下したのは「人生、バレーボールがすべてではない」という考えが根底にあるのだという。

 昨年末に結婚。五輪の日本代表選手としてプレーした一流選手の中には、荒木絵里香選手(トヨタ車体)のように引退後に結婚・出産を経て現役復帰し、30代でプレーしているケースもある。それでも木村は「(将来の現役復帰は)ないです。海外にいかせてもらったり、いろんな経験をさせてもらって満足しちゃったところもある」と言い切った。

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