「何とかしてフクにお嫁さんを」との思いを募らせていたところ、ご当地アイドルの存在を知り、平成27年8月に結成されたのがキーパー・ガールズ(略称・キパガ)だ。
オーディションを経て選ばれたのは、はまだまりなさん(23)と白石あづさん(22)、木村琴音さん(17)の3人。フクのお嫁さんを迎える費用を集めるというミッションが課せられた。
彼女たちは、市内を中心に行われるイベントに精力的に出演。ライブ終了後には、CD販売などとともに募金を呼びかけた。昨年11月には400万円近くまで集まり、ようやくフクのお嫁さんを連れてくる態勢が整った。
一難去って…新たな難題に市も動いた
昨年12月、同園が豪州の飼育施設と交渉した際、繁殖の成功率を高めるために、フクのお嫁さんに加えて別のペアの提供を要望。これに対して、施設側は「6頭が快適に過ごせる飼育環境を整えてもらえれば…」と園舎改修を条件に輸出を承諾することを提示してきた。
市が見積もった改修費用は約2300万円。対応策として国の交付金をあてこんだが、審査から外れた。そこで、市は1300万円を予算化したが、残る1千万円は自前でまかなうことになった。
新たな難題に直面しても、メンバーは「絶対にウォンバットをゲットします」とあきらめなかった。テレビ出演やブログ、SNSなどを最大限に活用して新たな募金活動を始めた。