プーチン大統領「ロシアの春」断固阻止…反政府デモに危機感、「アラブ」引き合いに抑圧正当化

 【モスクワ=黒川信雄】ロシアのプーチン大統領が3月26日に全国で発生した反政権デモを中東の民主化運動「アラブの春」にたとえ、弾圧を正当化する姿勢を鮮明にしている。中東諸国でその後起きた混乱がロシアでも再現されかねないとの懸念をあおり、反政権活動への国民の関心をそぐ狙いだ。デモの引き金となった首相の汚職疑惑には沈黙を続けており、腐敗問題への人々の不満が一層強まる事態も予想される。

 メドベージェフ首相の不正蓄財疑惑に端を発した今回のデモは、都市部を中心に全土で数万人が参加したとみられ、1300人以上が拘束された。事態を懸念した大統領付属人権委員会が調査に乗り出したほか、マトビエンコ上院議長が国民との「対話が必要」と発言。左派系政党「公正ロシア」のミロノフ党首も疑惑の解明を要求するなど、当局の強権的な対応に疑問を呈する声が出始めていた。

 しかしプーチン氏は3月30日、北極圏をめぐるフォーラムで初めてデモについて公に言及し、アラブの春やウクライナ危機でもその発端には「汚職との戦いが利用された」と主張。今回のようなデモが、政権転覆につながりかねないとの危機感を強くにじませた。さらに拘束者の解放を求めた欧米諸国の姿勢を「ロシアへの圧力」と述べ、露当局の対応を正当化した。