▼治癒した子供の笑顔は、善意を養分に咲いた花だろう。現地で育った医師は、善意によって磨かれた珠だろう。読者諸氏の力添えを願いつつ、事業団の多岐にわたる支援のノウハウを生かし、一層の熱意をもって取り組んでいく。使命は次の1人を救うことである。
▼基金の新たな一歩には、花の季節がふさわしい。杉山平一さんに『桜』という詩がある。〈みんなが心に握ってゐる桃色の三等切符を/神様はしづかにお切りになる…〉。寄せられた善意を、小紙は春色の切符に変えて届けていく。1枚でも多く、神様が鋏(はさみ)を入れてくれるといい。