衝撃事件の核心

商談相手が別人にチェンジ…米仏ビジネスの振込先が「足立区」に 世界で「ビジネスメール詐欺」猛威

「一連のメールはいずれも商談を装った犯行グループによって送られたものだった」と警視庁幹部は事件を解説する。国際的犯罪グループが両社のメールのやり取りをハッキングし、船舶修理会社をかたってメールを送っていたとみられる。

被害に遭ったフランスの会社などからの情報提供を受けて、警視庁組織犯罪対策総務課が捜査を開始。偽メールで指定された口座の名義人をたどっていくと浮かんだのが、東京都足立区の男(58)=3月に組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)などの疑いで逮捕=だった。

「口座は足立区内の都市銀行に開設されたもので、男が代表取締役を務める会社の名義になっていた。経営実態はなかった」(捜査関係者)という。

登記簿などによると、男が代表を務める会社は平成27年2月に資本金100万円で設立。男の自宅が「本店」として記載されており、「宝飾品の販売」や「飲食店の経営」などを主な業務としていた。

イスラエルから入出金

男が関与した疑いのある事件はこの1件にとどまらない。組対総務課の調べでは、男は昨年2〜4月にかけて別の会社を立ち上げたほか、14年8月に設立された会社を買い取っていた。そして、それぞれの会社の名義で銀行口座を開設。2つの口座にはイスラエルの会社などから、計9千万円の入出金が確認されているという。

捜査関係者は「男の会社はいずれもダミー会社で、3つの銀行口座は詐取金の受け皿として開設されたものである可能性が高い」と指摘する。

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