宮家邦彦のWorld Watch

トランプ氏は「選挙モード」のままだ オバマケア廃止法案撤回を教訓に「統治」を始めるのか

 ●露と戦術的に関係改善し中国とは戦略的に対抗する

 対露改善はトランプ陣営とロシア情報機関との不透明な関係が批判され、あまり進んでいない。これに対し、対中関係の戦略的見直しは着々と進んでおり、現在中国が必死で巻き返しを図っている。これも米国内での大テロ事件発生などがあれば急変するが。

 ●トランプ旋風は弱体化した共和党を乗っ取った

 昨年の選挙で、共和党は大統領府だけでなく、議会上下両院をも制した。これで共和党は再生したと見る向きもあるが、以下に書く通り、共和党内分裂は予想以上に深い。救いは民主党内部もそれ以上に分裂していることだろう。

 ●新政権が統治モードへ移行した兆候はいまだ見えない

 今回の出張中、ワシントンの最大関心事は現行健康保険制度「オバマケア」廃止法案の行方だった。トランプ氏の主要選挙公約の一つだが、結局同法案を提案した共和党指導部は撤回に追い込まれた。トランプ政権の大敗北。共和党内の派閥抗争の結果でもあるが、最大原因は政治経験の乏しいトランプ氏が「選挙モード」のままだったことだ。

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