朝鮮学校学費補助金 黒岩祐治・神奈川県知事「交付決定は不可能」

神奈川県の黒岩祐二知事
神奈川県の黒岩祐二知事

 北朝鮮による日本人拉致問題の教科書記述をめぐり、神奈川県が昨年4〜8月分の朝鮮学校の学費補助金約2100万円の支給を留保している問題で、黒岩祐治知事は29日の定例会見で、学校側から連絡がないことを明らかにしたうえで、「拉致問題を記載した教科書が出てきても内容の確認には一定の時間がかかる。今年度中に学費補助金の交付を決定するのは不可能と言わざるを得ない」と述べた。

 同問題をめぐっては、県内で朝鮮学校5校を運営する学校法人「神奈川朝鮮学園」(横浜市)が昨年11月、拉致問題を記述した独自の教科書を今年度中に作成すると県に伝えたが、その後一転して「不可能になった」と通知。黒岩知事は「拉致問題を明記した教科書に改訂することが(補助金支給の)前提」として、県は学費補助金約2100万円の支給を留保し、平成29年度当初予算案でも学費補助金の計上を見送った。

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