特許庁が今年9月までに商業施設「グランフロント大阪」(大阪市北区)に知的財産活用の支援拠点を設置することが28日、分かった。経済界と連携しながら、関西の中小企業の特許出願を後押し、経営支援につなげる狙いだ。
支援拠点は、特許庁内にある独立行政法人「工業所有権情報・研修館(INPIT)」(東京都千代田区)の近畿統括本部。グランフロント大阪北館タワーC9階の1室(約320平方メートル)に設置される。
日本だけでなく、新興国など海外の知的財産問題にも通じた大手企業OBら知財専門家4人程度を配置する。企業や大学などからの出願手続きの相談に対して助言を行う。特許庁からは定期的に審査官を派遣。出願者と直接面談をして審査する場を月2回、設ける。
また、大阪商工会議所や関西経済連合会などと連携し、知財戦略やビジネスマッチングをテーマにしたセミナーの開催を検討する見通しで、大商の宮城勉専務理事は「成長分野の育成や産学連携などを後押しする機関になれるよう協力したい」としている。
中央省庁の地方移転をめぐって、政府は昨年3月に特許庁や中小企業庁など4庁の移転を見送り、代わりに出先機関の機能を強化する方針を示していた。近畿統括本部は、その代替策の一環に位置付けられる。