好調ディストピア小説 トランプ政権誕生で脚光!? 小松左京さん「アメリカの壁」も電子書籍で

 一方、「現実がSFに近づいた」などとネット上で話題になったのが、小松左京さんが40年前に発表した短編小説『アメリカの壁』だ。「輝けるアメリカ」などのスローガンを掲げて当選した孤立主義の米大統領が登場し、突然出現した壁によって外部との交通や通信が絶たれるという物語だ。2月に電子書籍として緊急発売した文芸春秋では「小松さんはSF作家であると同時に優れた文明史家でもある。小松さんの鋭い洞察に触れることで、米国でいま何が起きているのか考える契機になるのでは」と話す。

 批評家の佐々木敦さんは「トランプ氏の存在自体が戯画的。以前は考えられなかったようなことが起こっている」と指摘。「現実がフィクションを超えてしまった。今を知るための手がかりとしてディストピア小説が読まれているのでないか」とみている。(油原聡子)

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