目標の発見→識別→指定→邀撃→撃破→成果確認と6段階をアッという間に達成する米軍の《キル・チェーン》には、やはり特殊作戦部隊をはじめとする陸上兵力の派兵が欠かせない。トドメを刺す必要があるし、採取できるかは遺体の損壊程度にもよるが、DNA検査で影武者かどうかを判定する必要もあるし…。
学習の成果は2006年に現れた。米空軍のF-16戦闘機が、日本人男性も誘拐・殺害したイスラム暴力集団を率いるテロリストのアブ・ムサブ・ザルカウィ(1966〜2006年)の潜伏場所をピンポイント爆撃、特殊作戦部隊が身柄を確保し万全を期した。が、ザルカウィは身柄を確保された直後、爆撃がもとで死亡した。このときも、500ポンド爆弾2発が正確にヒットしたが、時を経ずして第145任務部隊とイラク軍特殊作戦部隊が現場に急行し、指紋採取などで本人確認した。
第145任務部隊とは、イラクのテロリスト掃討に向け臨時編制された特殊作戦部隊で、米英軍に所属する複数の特殊作戦部隊を包含する。作戦目的によって、「得意ワザ」の異なる米英軍内の各種特殊作戦部隊を組み合わせ運用することで「ドリーム・チーム」と畏敬された。
金委員長を狙った「ドリーム・チーム」が、既に編制されているとみて間違いあるまい。金委員長は上空に「死の白鳥」が舞ってはいないか、気を付けることだ。戦略爆撃機B-1Bの二つ名である「死の白鳥」が北朝鮮上空を舞っている事態とは、「ドリーム・チーム」の地上での暗躍を意味する。
もっとも、超高速かつ超低空で侵入してくる「死の白鳥」が見えるはるか以前に、金委員長はJDAMの餌食となっていよう。