この日、同園にいた園児は一時保育も含め、定員の46人を大きく上回る73人。にもかかわらず、給食は42食分しか用意されていなかった。その結果、1歳児のおかずはスプーン1杯ほど。乳児にはごはんとおかず、汁物を一つの茶碗に盛りつけて食べさせていた。暖房が切られ、室温が14度しかない部屋もあった。
特別監査は今月13日にも行われ、次々と問題が明るみに出た。給食については食べ残しを冷凍し、後日に温め直して出していたことも判明。土曜日には40人前後の給食を10食分で賄うこともあったという。
市には保育士が13人いると届け出ていたが、うち3人は給付金を水増し請求するための名義貸し。しかも無許可でベビーシッターや学童保育事業を行い、保育士に掛け持ちさせていた。
「発育が遅いのが気にかかっていた。給食が減らされていた影響と思えて仕方ない」。同園に次男(2)を通わせていた母親(39)は憤る。
年5千万円給付
市によると、同園は平成15年11月に認可外保育施設として設立。27年3月に認定こども園となった。認定により国が2分の1、県と市が4分の1ずつを負担し、年間約5千万円の給付金が交付されている。
一方で定員を超過して受け入れていた22人の保護者からは、独自に設定した保育料のほか給食費も徴収。水増し請求した保育士の給与の公費負担分やシッター、学童保育で得た収入などと合わせ、小幡育子園長が簿外でプールしていた。