サクラの花見シーズンがいよいよ始まり、観光業界による訪日外国人向けの「お花見商戦」が本格化してきた。豪華宿泊プランや花見マナーの手ほどきまで網羅している。花見は訪日旅行の主要コンテンツに成長しており、各社とも需要の取り込みに力を入れる。
昨年11月に新装開業したグランドプリンスホテル高輪(東京都)の一押し宿泊プランは「日本の春を愉(たの)しむステイ」。日本庭園を望む和室に宿泊し、日中は着物姿で人力車に乗って周辺の桜をめぐる「日本文化を満喫できるプログラム」を用意した。担当者は「近年は屋外イベントでも訪日客が目立つ」と話す。
森トラストは、東京マリオットホテルに隣接する御殿山が江戸時代に桜の名所として親しまれた歴史性を売りに、4月7〜8日に和楽ユニットによるステージや野だて体験などを実施する。
旅行大手のJTBは、富士山と花見を両方楽しめるツアーを今年から販売。従来ツアーも絶好調で、外国語ガイド付きの夜桜クルーズツアーは「前年の3倍近い予約人数」という。
日本政府観光局(JNTO)によると、花見シーズンの3、4月の訪日客は年々増え、平成28年は各月とも200万人を突破した。