【月刊正論4月号】拉致、麻酔薬、歴史戦…中国の亡命外交官が明かした衝撃の事実 中国スパイと工作員の浸透は広く深かった(3/7ページ) - 産経ニュース

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月刊正論4月号

拉致、麻酔薬、歴史戦…中国の亡命外交官が明かした衝撃の事実 中国スパイと工作員の浸透は広く深かった

中国総領事館の役割

 このように、中国総領事館は反中分子の摘発と監視を行うが、その他の重要任務は、豪州国内で活動するスパイや工作員の統括だ。陳が総領事館で勤務中に目にしたファイルには、豪州国内に約1000人のスパイが配置されていることが書かれていたという。ここでいうスパイには密告者も含まれていて、中国政府が指揮する海外でのスパイ活動には複数のパターンがあると陳は説明する。  

 まず、本土から直接送り込まれてくるスパイ、または工作員だ。あらかじめ現地にダミー会社を作ったり、潰れそうになった会社を買収したりして、ビジネスマンとして赴任させる。そのまま現地の企業との商行為を通じて様々な情報を入手し、本国へ送付する。このような会社はスパイ活動の拠点として機能する。  

 我々もそのような会社が存在することは認識していた。このように派遣される者はスペシャルエージェントと呼ばれ、盗聴やGPSによる標的追尾も行うプロのスパイ兼工作員だ。陳によると、さらに、警察学校を卒業した者が、協力者を探す目的で潜入してくるという。  そしてすでに現地で勉強している留学生や、ビジネスマンをエージェントとして活用するパターンだ。金銭的報酬やハニートラップを使って協力者を勧誘する。ここで広く活用されているのが、留学生を使ったネットワークだ。中国人留学生をリクルートして、空港で政府要人を歓迎させたり、反中勢力の活動を監視したり、デモを妨害させたりする。特に親が中国政府の人間だった場合、その留学中の子弟が本業以外の諜報活動をしている可能性が高い。  

 ニュージーランド在住のある日本人家族の息子さんは、そんな中国人留学生を友人に持つ。ある日、その友人がこう打ち明けたという。   「中国は本気で日本を盗ろうとしているぞ」 

 息子さんが尋ねた。 

 「盗ってどうするんだ?」  

 友人が答えた。 

 「みんな殺すつもりだ。嫌だが、俺は中国に忠誠を誓わなければならない。お前は日本に忠誠を誓え」

中国人留学生ネットワーク

 2014年には、豪州の主要大学で教える中国人講師が本国に帰国した際、当局から4回に亘って尋問されるということがあった。その理由は、彼のクラスの中国人学生が、当該講師が「民主主義の信奉者であり、民主化活動団体に寄付をしている」と虚偽を含めた報告を中国政府に流したからだった。この一件がメディアで報じられて、中国政府による留学生利用の実態が一般に知られるようになった。陳によれば、各大学の留学生向け中国人協会は、中国政府によって作られ、リーダーまで指名され、財政的援助を受けているという。