震災6年 被災地発

大槌の災害公営住宅 医療費負担減100%が要望 岩手大など調査

 ■子育て世帯の窮状浮き彫り

 東日本大震災で大きな被害を受けた大槌町の災害公営住宅で暮らす被災者を対象にした初めての調査で、12歳以下の子供がいる子育て世帯の経済的な窮状が浮き彫りになった。具体的な支援策について、子育て世帯のすべてが医療費の負担軽減を望んでおり、就学・育児費用援助の要望も57%に達した。

 岩手大教育学部の麦倉哲教授、明治学院大社会学部の浅川達人教授らが調査を実施。対象は大槌町内の災害公営住宅419戸(昨年12月時点)で、156件の回答を得た。両教授らは21日、回答を分析し、速報として町に報告した。

 子育て世帯の経済的な窮状が浮き彫りになったのは麦倉教授の調査。支援策の要望を高齢者世帯、子育て世帯、その他の世帯-に分けて集計したところ、子育て世帯は、医療・介護にかかわる経費・負担を軽減してほしい(100%)▽就学・育児にかかる費用を援助してほしい(57・1%)▽自宅が被災した場合などに受けられる「生活再建支援金」を増やしてほしい(42・9%)-といずれの項目も高かった。

 医療費の負担軽減は対象の全世帯が希望しており、高齢者世帯(61・3%)を大きく上回った。生活再建支援金の増額要望も、高齢者世帯(25・3%)、その他の世帯(34・0%)を大きく上回った。

 もともと高齢者世帯が多い災害公営住宅には、復興に向けて活力を持続するため子育て世帯の存在が必要だとされる。実際に、新潟県中越地震で整備された災害公営住宅では高齢者世帯と子育て世帯をバランス良く配する対策がとられた。

 麦倉教授は子育て世帯の経済的な窮状をコミュニティーづくりと並ぶ災害公営住宅の運営上の大きな課題と指摘。「災害公営住宅は2年間の特例を過ぎると、家賃が10年間上がり続ける。子育て世帯への低家賃政策も必要だ」と提言している。

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