住吉市民病院問題

大阪市、過失認める報告書 選定で図面提出義務づけず

 平成30年3月末で閉鎖される大阪市立住吉市民病院(住之江区)敷地内に誘致された民間病院の移転開業が当初予定の30年4月から2年遅れる問題で、大阪市が誘致病院の選定過程で民間病院に図面の提出を義務づけなかったことを市の過失として認める調査報告書をまとめたことが分かった。17日の市議会常任委員会に提出する。

 大阪市は27年8月、住之江区内で南港病院(109床)を運営する社会医療法人三宝会を誘致病院に選定。三宝会は住吉市民病院の敷地北側に、市民病院から引き継ぐ100床を合わせた209床の新病院を新築して移転し、30年4月に開業する計画だった。

 しかし、この計画では建築基準法の日影規制に抵触することが判明。市と三宝会が協議した結果、市民病院の閉鎖から2年間は既存病棟の一部を使って100床を暫定運営し、他の病棟を解体した跡地に新病院を建設する計画に変更した。

 市は今年2月から一連の経過について内部調査を実施。関係者によると、市は三宝会に3回にわたり図面の提出を求めていたが提出されず、日影規制に気付くのが遅れた。報告書では「選定段階で図面提出が義務づけられていなかったことに起因する」として、選定の仕組みを作った市に過失があったと結論づけた。

 また市は、暫定運営の2年間に三宝会に生じる赤字11億8千万円を補助金と無利子貸し付けで穴埋めする支援策を検討。29年度当初予算案には、三宝会が暫定運営に使用する病棟の改修費7千万円を計上している。しかし大阪維新の会以外の会派では反対の意見が収まっていない。

 吉村洋文市長は16日の会見で、「病棟改修費が否決されるのなら、支援策そのものが否定されるということ。支援策が議会として受け入れられないということになれば、誘致自体にも影響してくる」と述べ、今回の誘致が頓挫する可能性に言及した。

三宝会、事業計画出さない方針

 社会医療法人三宝会は産経新聞の取材に対し、住吉市民病院の敷地内に新築する新病院の事業計画を大阪市に提出する考えがないことを明らかにした。これまで収支計画は提出しているものの、図面は提出していない。担当者は「議会の予算審議の結果を待っている。病院用地を取得させてもらいたい」と要望した。

 また、裏口座で約900万円を流用していたとして懲戒処分を受けた府立急性期・総合医療センターの前院長に、診察などでの協力を要請していることも明らかにした。

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