17都府県のコンビニエンスストアの現金自動預払機(ATM)で約18億円が一斉に引き出された事件で、警視庁が不正作出支払用カード電磁的記録供用などの容疑で、指定暴力団山口組系組長の男を逮捕していたことが15日、関係者への取材でわかった。警視庁は男が一連の事件で主導的な役割を担っていたリーダー格だったとみている。事件ではこれまで全国で約170人が摘発されており、警視庁は指示系統など事件の全容解明を進める。
関係者によると、警視庁組織犯罪対策特別捜査隊に逮捕されたのは、北海道に拠点を構える山口組系の3次団体組長の男(49)。今月上旬に逮捕された。男は上部組織の山口組系2次団体で最高幹部も務めている。
事件は昨年5月15日朝に発生。東京、愛知、大阪、福岡など17都府県のコンビニATMなどから、南アフリカの銀行が発行したカード情報が書き込まれた偽造カードを使って計約18億6千万円が引き出された。
調べによると、男は昨年5月15日に都内のATMで実行された現金引き出しをめぐり、カードを提供するなどした疑いが持たれているという。