防衛最前線(113)

探知能力向上で中国軍機を見逃さない 自衛隊が導入を決めた早期警戒機「E2D」

 さらには、探知物体の情報を解析するコンピューターの性能もアップし、同時に処理できる物体の数が増加。探知した物体の識別は、受信した電波の波形や周波数などで行うが、E2Dはそのための受動探知装置(ESM)も機能が充実している。滞空時間もE2Cの約6時間よりも長くなった。

 日本の早期警戒活動は、現在、E2Cや早期警戒管制機(AWACS)「E767」を中心として行われている。E2Cは三沢基地および那覇基地(沖縄県)に計13機が配備され、浜松基地(静岡県)のE767とともに24時間態勢で目を光らせている。

 今後はこの列にE2Dも加わる形で、収集探知した情報は空自による緊急発進(スクランブル)などの対領空侵犯措置に活用されるほか、水上艦艇の接近時にも役立てられる。

 E2Cの機内はさまざまな機材が所狭しと並んでおり、乗組員の居住スペースは狭くて「乗り心地はやや窮屈」(空自関係者)だといい、同様のことはE2Dにも言えるようだ。

 今年度のスクランブル回数は既に計1千回を超え、通年で過去最多を更新している。大半は中国とロシアの2カ国が占めており、戦闘機による領空侵犯を許さないため、性能が向上したE2Dに対する空自関係者の期待は高い。

(政治部 小野晋史)

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