「責任感持ち、誠実に」 最高裁判事に就任した戸倉三郎氏

 前東京高裁長官の戸倉三郎氏(62)が14日、最高裁判事に就任し、「責任感を強く持ち、誠実に事件に向き合っていきたい」と抱負を語った。

 平成16年、裁判員制度の広報活動や環境整備などを担う審議官に就任。「国民に参加してもらわなければ刑事裁判ができない」との危機感の下、裁判員が休暇制度を活用できるよう、経済団体などに掛け合った。

 当時は休暇どころか「どうすれば辞退できるのか」という質問が寄せられることも。説明会などで粘り強く理解を求める一方、「一緒に審理をする裁判官の姿を国民に知ってもらおう」と、模擬裁判なども多数企画した。

 裁判員制度は今年5月で施行8年。「非常に順調に運用されている」としつつも、「地道な広報活動を続けていくことが大事」と話す。司法行政の経験が長く、「知識が豊富で、状況把握能力に優れている」(裁判所関係者)など、行政手腕には定評がある。

 鉄道好きで、さいたま地裁所長時代には、鉄道博物館(さいたま市)の年間パスポートを購入。お気に入りの車両に座ってしばし休むのがリフレッシュ方法だ。

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