35年の長きにわたり採用、米軍標準仕様の拳銃「ベレッタ」が引退、モジュラー式拳銃「P320」採用へ

P320は、あらゆる大きさの手に対応できるように、グリップを交換できる仕様になっている。この機能は米軍にとって必要なものだ。なぜなら米軍が1982年にM9を採用して以来、兵役に就く女性の数が大幅に増えているからである。ベレッタは2014年、新しい照準器を備えて人間工学的に改良した「M9A3」を提案して米軍との契約を維持しようとした。だが、米軍が求めていたのは完全なるモジュラー式の銃だった。

シグ・ザウエルのP320には、消音装置など数多くのアタッチメントやアクセサリーを取り付けることができる。また、あらゆる状況や任務に対応できるように、大きさや口径によってサイズは3種類から選べる。たとえば、一般的な調査には隠し持っておけるコンパクトな銃が必要だ。一方、戦地にいる兵士たちは、使いやすさと頑丈さを最も重視する。それがモジュラー式を選んだ理由とみられる。

そこで米軍はゼロから設計するのではなく、メーカーなどの提案を見てみることにした。「我々は民間企業による銃や銃弾、弾倉の進化を最大限に利用したのです」と、米軍の調達部門幹部であるステファニー・イースターは文書で発表した。

いまのところP320に対する反応は好意的だ。専門家たちも、P320が備える順応性や柔軟性によって、長期にわたってコストを削減できるとみている。「これは賢明な選択です」と、シンクタンクの新米国安全保障センターでディレクターを務め、国防長官のオフィスでドローンの調達も手掛けていたポール・シャーラーは話す。

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