35年の長きにわたり採用、米軍標準仕様の拳銃「ベレッタ」が引退、モジュラー式拳銃「P320」採用へ

 35年もの長きにわたり、米軍が標準仕様の拳銃として採用してきた「ベレッタM9」が引退。その後継となるのは、拡張性を備えたモジュラー式の拳銃である。

PHOTOGRAPH COURTESY OF SIG SAUER

35年もの長きにわたり、米軍が標準仕様の拳銃として採用してきた「ベレッタM9」。その引退のときがやってきた。後継となるのは、モジュラー式の近代的なサイドアーム(携帯できる武器)である。

この「P320」と呼ばれる新しい拳銃は、元々はドイツの銃器メーカーであるシグ・ザウエルが2014年に市販したものだ。P320は多様なニーズに応じてカスタマイズすることができる。米軍は28万丁以上の拳銃を購入する予定で(最終的には50万丁を予定)、シグ・ザウエルはすべてニューハンプシャー州にある自社工場で製造するという。

シグ・ザウエルは、米軍が2年にわたって実施した総額3億5%2C000万ドル規模の「モジュラー・ハンドガン・システム」の入札にP320をエントリーさせた。この入札では複数のメーカーが、最大5億8%2C000万ドルの価値があるとみられる契約をめぐって争っていた。ところが一連のプロセスが長引いたことから、議員たちは就任前だった国防長官のジェームズ・マティスを、1月に開いた公聴会で尋問した。ノースカロライナ州の共和党員で上院議員のトム・ティリスは、ベレッタの年式を引き合いに出して、「これは国防の調達において問題が起きていることを示す重要な証拠だ」と指摘した。

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