膵(すい)がんのため1日、78歳で死去したグループサウンズ「ザ・スパイダース」元メンバーでミュージシャンのムッシュかまやつさん。かまやつさんのバックバンドでキーボードを務めて以来、約40年の親交がある音楽プロデューサーの武部聡志さん(60)は「さまざまなジャンルの音楽をJポップとして根付かせた」とその功績をたたえた。
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アマチュアバンドのメンバーとして東京・渋谷のリハーサルスタジオに出入りしていた音大生時代にムッシュと出会いました。「僕のバンドでやってみませんか?」と誘われたのがプロの世界に入るきっかけ。初めて一緒に演奏させてもらったのは「あの時君は若かった」です。僕をプロの道に導いてくれた恩人です。
ザ・スパイダース時代は「バン・バン・バン」などのヒット曲を連発してグループサウンズブームを牽引(けんいん)し、その後も吉田拓郎作詞・作曲の「我が良き友よ」を歌ってフォークソングブームにも一石を投じました。ロカビリー、グループサウンズ、ロック、フォーク…。さまざまな音楽を日本のポップスとして根付かせた一人だと思います。