サウジアラビアのサルマン国王が12日から4日間の日程で来日する。サウジ国王が日本の土を踏むのは昭和46年以来46年ぶり。対日関係や国際情勢をめぐる発言は政財界の関心を集めるが、注目されるのはそれだけではない。世界最大級の産油国トップだけに規格外の豪華外遊となりそうだ。
「既に東京都内の高級ホテル1200室は押さえている」。日サウジ外交筋はこう明かす。国王来日には複数の閣僚や王子が同行する。来日に先立つインドネシア訪問には約1500人が随行。日本に直接来る随員も含めるとさらに増えそうで、日本で受け入れ準備が着々と進んでいる。
国王専用のエスカレーター
動きがあったのは5日午後3時過ぎ。1機のロシアの貨物機が羽田空港に降り立った。貨物機をチャーターしたのは、サウジアラビア政府だった。人影もまばらな駐機場で、貨物を出し入れする後部ハッチから運び出されたのはエスカレーター式のタラップだった。サルマン国王の空の旅に欠かせないものだ。
「日本に移動式タラップはあるか?」
サウジ政府関係者は12日からの国王来日を前に、日本側に確認を求めた。サルマン国王は81歳で、2月末から約1カ月にわたるアジア諸国歴訪には細心の注意が必要となる。日本側で準備できないことが分かると、サウジ政府は国王専用のタラップを持ち込むことを決めた。