和歌山小5殺害公判

被告父の証人尋問「高校中退前後から家庭内暴力」 和歌山地裁

 和歌山県紀の川市で平成27年2月、市立名手小5年、森田都史君=当時(11)=が刺殺された事件で、殺人などの罪に問われた中村桜(おう)洲(しゅう)被告(24)の裁判員裁判の第2回公判が7日、和歌山地裁(浅見健次郎裁判長)で開かれ、中村被告の父親の証人尋問が行われた。

 弁護側の証人の父親は入廷の際、被害者参加制度を利用して検察側後方の衝立奥に座っている都史君の父親(69)に向けて深々と頭を下げた。証言台では「幼くして何者にも代えられない命が奪われた都史さんとご家族の思いを思うと、おわびの言葉もありません。本当に申し訳ございませんでした」と改めて頭を下げた。

 中村被告については、小学生の頃は明るく人懐っこい性格だったが、高校を中退した前後からは、家庭内で暴力をふるうようになったことなどを証言。成人式後には、「もうちょっと待ってほしい。ちゃんとするから」などと話し始めたといい、「待つ姿勢を選んだが、結果として間違えたかもしれない」と述べた。

 また、被告がインターネットで購入した大型の刃物を自宅で研いでいたことについては「興味の範囲なのだろうと思っていた。外に持ち出したり、振り回したりしないように注意した」と話した。

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