一帯一路

「重機も作業員もすべて中国から…」南シナ海に戦略拠点続々 マレーシアで陸路も開発 スリランカ港湾整備は調印めど立たず

 ただ、その狙いは南シナ海におけるマレーシアとの領有権問題などを念頭に、同国を懐柔することにあるとの見方も少なくない。

 新埠頭建設事業で残りの1600メートル分は顧客が決まっておらず、「日本や韓国企業にぜひ、利用してほしい」と語るKPCのカーディルCEO(最高経営責任者)にも、深まる中国依存への警戒感がにじむ。

 埠頭だけではなく、新たな鉄道計画も進んでいる。マレー半島の東海岸と西海岸の全長620キロを結ぶもので、中国の李克強首相が昨年11月、訪中したナジブ首相に協力を約束。550億リンギットの事業費が見込まれ、中国企業が建設する。

 実現すれば、クアンタン港は、マレー半島を横断するその鉄道で、250キロ離れた西海岸のクラン港につながる。同国最大のクラン港は、首都のクアラルンプールに近い免税の自由港。クアンタン港も今年6月に自由港になる予定だ。両港がつながれば、戦略的な「陸の運河」が出現する。

 中国としても、米軍による封鎖リスクを抱えるマラッカ海峡を通らずに、インド洋から南シナ海へ抜ける独自ルートを確立できる。

 東南アジア研究所(シンガポール)のタン・シュー・ムン上級研究員は、「中国にとって(マラッカ海峡を回避できる同鉄道計画の)意味合いは地政学的に大きい」と指摘している。

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