主張

北朝鮮のミサイル 国民守る全ての策講じよ 日米は「核抑止」強化へ協議を

 中国は経済制裁として北朝鮮からの石炭輸入の年内禁止に踏み切った。これは中国が今後の対米関係を考えての措置だったとみることができる。ミサイル発射には中国への反発もうかがえる。

 問われるのは、挑戦的態度をとられた米中両国の対応だ。トランプ政権は核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、「テロ支援国家」への再指定や武力行使も選択肢に含めることを検討している。対決姿勢はより鮮明となろう。

 後見役の中国は、その姿勢により対北経済制裁の効果を減殺してきた。今回、国家の最重要会議の最中にメンツをつぶされたことをどう考えるのか。

 ただ、中国は韓国への「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備計画について、米韓への反発を強めている。北朝鮮の封じ込めに向けて、他の関係国との連携を重視する姿勢が求められる。

 韓国は職務停止中の朴槿恵大統領の罷免か否かで国が二分している。政界内に親北勢力も広がる中で、朝鮮半島の平和と安定を熟慮し、次期大統領選に臨む冷静さが不可欠だろう。

 政府は参院で開催中の予算委員会を中断し、国家安全保障会議(NSC)の会合を開いた。外交ルートで抗議したのも、これまでと同様の対応だ。

 それぞれ必要な措置だが、それらによって日本の安全が直接、高まる効果は期待できない。

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