浪速風

「1強」「長期安定」の今こそ

昭和30(1955)年11月15日に開かれた自由民主党の結党大会は熱気に包まれた。左右に分裂していた社会党が統一し、保守陣営にも危機感が高まっていた。「政局の安定は現下爛頭(らんとう)の急務」。漢書の焦頭爛額(しょうとうらんがく)(火事を消すために頭を焦がし、額をただれさす)から、火に飛び込む覚悟という意味だろう。

▶結党宣言は「内に民生を安定せしめ公共の福祉を増進し、外に自主独立の権威を回復し…」とうたった。すなわち自主憲法制定は結党以来の党是である。安倍晋三首相は5日の党大会で「憲法改正の発議に向けて具体的な議論をリードしていく。それこそが自民党の歴史的使命ではないか」と呼びかけた。

▶「1強」で政局は安定している。総裁任期を延長する党則改正が党大会で了承され、安倍首相の長期政権への道も開かれた。ならば、今こそ憲法改正に踏み出すべきだ。北朝鮮がまた弾道ミサイル4発を発射した。安全保障こそが「現下爛頭の急務」である。

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