「八百長裁判長!」暴言連呼、開廷1分で被告退廷 糖尿病児衰弱死事件初公判 宇都宮地裁

 祈祷師(きとうし)を自称し、1型糖尿病だった小学2年の男児のインスリン投与を中止させて衰弱死させたとして、殺人罪に問われた栃木県下野市、建設業、近藤弘治被告(62)の裁判員裁判初公判が6日、宇都宮地裁(佐藤基裁判長)で開かれ、弁護側は「殺意はなかった」として無罪を主張した。近藤被告は開廷直後から佐藤裁判長を非難する発言を続け、人定質問後に退廷を命じられた。審理が一時中断し、被告不在で手続きが再開された。

 入廷した近藤被告は「始まる前にちょっと」と言いかけ、佐藤裁判長に「始まる前は発言禁止です」と止められると、持ち込んだ大量の資料を証言台の上に置き、長椅子にも資料を置くように刑務官に指示した。

 裁判員が入廷すると、またも「開廷前に一言」と言い、制止した佐藤裁判長に対して「あなたは罷免だ! 冤罪(えんざい)だ!」と叫んだ。氏名や住所を答え終わると、「これを出させてください」と資料を指し、「発言を禁止します」と制止されても、「この資料の中に真実が入っているんだ」と叫び、退廷を命じられた。

 「八百長裁判長!」と連呼しながら刑務官に連れられ、開廷1分ほどで退廷させられた。

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