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病院内で使う人工心肺や人工呼吸器、人工透析、心臓ペースメーカーなどの操作や保守・点検を担う医療機器のスペシャリスト、臨床工学技士。命のエンジニアとも呼ばれ、多様化、高度化が進む現代医療の現場には欠かせない存在だ。
「手術室で使われる医療機器もすべて操作します。患者さんの予後にぼくらの知識がきっちりと反映されることに、やりがいを感じますね」
兵庫県立淡路医療センターのME(メディカルエンジニア)センターで、主査を務める橋本圭司さん(37)は胸を張った。
心臓を止めて行われる手術の際には、人工心肺装置を操作。血圧や体温などデータを注意深く監視しながら装置や薬剤を調整する。脳や臓器にダメージを与えないよう、非常に高度な技量が必要とされる重要な仕事だ。
「人工心肺を使用することは、よく飛行機の離陸や着陸にたとえられます。人工心肺に移行するときや、人工心肺を離脱するときが、腕の見せどころ。圧力や温度、輸血をベストの状態に調整して、心臓が止まったことを気づかれないように細心の注意を払う必要があります」