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「逮捕前にタバコを一本も吸わせてくれなくて、マジむかついてるんすよ」。東京都調布市の都営アパートで住人の高齢男性が殺害された事件。強盗殺人容疑で逮捕された孫は取調室で刑事にこう言い放ったという。カネの無心を断られて逆上し、顔や頭をはさみで何度も突き刺して祖父を殺害。凄惨(せいさん)な犯行だが、捜査関係者によると、取り調べには「関係ねえ」「クソじじい」などと言い放っていたという。祖父と孫にいったい何があったのか。
はさみ2本、ベッドには血だまり
2月16日午前11時ごろ、東京都調布市国領町の都営調布くすのきアパート1階。無職、山本一夫さん(89)の部屋をホームヘルパーの女性が訪ねた。
部屋は珍しく施錠されており、ドアノブには宅配のカツ丼が掛けられたままだった。女性は不思議に思いながら、合鍵を使って入室。室内は静まりかえっていたが、ベッドに膨らみがあったため布団をめくった瞬間、女性は悲鳴を上げた。
ベッドに横たわった山本さんの遺体は、元の顔が分からないほど裂傷や挫滅傷が多数あり、鼻骨やあごの骨は折れていた。中には頭蓋骨を貫通し、脳にダメージを与えるような傷も複数あったという。ベッドには血だまりができており、凶器のはさみが2本、放置されたままだった。
司法解剖の結果、山本さんの死因は、頭や顔の傷による出血が気道を通って肺に入ったことによる窒息死。いつも現金を入れていたバッグが部屋からなくなっていた。