落語は「笑点」だけにあらず

新作も古典もどちらも…高座が注目されている若手、三遊亭わん丈

【落語は「笑点」だけにあらず】新作も古典もどちらも…高座が注目されている若手、三遊亭わん丈
【落語は「笑点」だけにあらず】新作も古典もどちらも…高座が注目されている若手、三遊亭わん丈
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 落語家の師弟は不思議だ。どこかで必ず師匠に似てくる。それは噺だけではない。三遊亭わん丈(34)はまだ二ツ目になったばかりだが、かつてスーパー前座といわれていただけあって、高座だけでなく、しっかりとした考えを持つ。師匠の教えが、しっかりと弟子に伝わっている。

 わん丈は滋賀県生まれ。大学時代から、九州でバンド活動をやっていた。28歳のときに上京して、池袋演芸場で初めて見た落語家に「着物を着ているのも格好良いし、しゃべりもプロっぽいところが好き」と。何よりも、「出てくる人出てくる人がみんな太っていて、この業界は食える」と、思った。当時、バンドをやっていたので、食えなくてガリガリだった。

 平日の昼席で客席は50人ほど埋まっていた。バンドをやっているときは、お客さんは10人ほど。「業界として、生計を立てていける」と確信した。

 落語家になることに決め、半年かけて、師匠選びをした。そこで、円丈師匠を選んだ。

 「品があった」と、高座にあがったその姿を見た瞬間に「この人に弟子入りしよう。この人しかいない」と、決めた。

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