築地市場(東京都中央区)から豊洲市場(江東区)への移転問題で、移転を決断した元東京都知事の石原慎太郎氏が3日、都内で会見し、「最高責任者として裁可した責任がある」と述べ、豊洲移転決定当時の都庁トップとして責任を認めた。
また、議会を含めた都庁全体に責任があるとも強調。自身の知事就任前から豊洲移転の方向性が固まっていたとし、「不透明」との指摘がある東京ガスとの契約交渉は「(側近に)一任していた」として、詳細を把握していないとの立場を貫いた。
20日に都議会百条委員会の証人喚問を控える石原氏の発言が注目されたが、「詳しい報告を受けておらず、詳細を把握していない」とした昨年10月の文書回答とほぼ同内容。
石原氏の責任を問う住民訴訟が東京地裁で係争中だが、「今の混迷、迷走の原因は小池百合子都知事にあり、小池氏こそ(訴訟で)責任を問われるべきだ。豊洲は科学的に問題がなく、一刻も早く移転すべきだ」と述べた。
移転先については、知事就任(平成11年4月)前から「都の関係部局で『豊洲以外に候補地がない』との考えで一貫していたと思う」との見解を示した。