オランダ総選挙、「寛容の国」を包む静かな緊張 極右候補ウィルダース氏に根強い支持

オランダ総選挙、「寛容の国」を包む静かな緊張 極右候補ウィルダース氏に根強い支持
オランダ総選挙、「寛容の国」を包む静かな緊張 極右候補ウィルダース氏に根強い支持
その他の写真を見る (1/5枚)

 オランダの下院選挙が15日に迫った。仏独の重要選挙に先駆け、右派の大衆迎合主義(ポピュリズム)的な潮流が強まる欧州の動向を占う試金石として注目が集まっている。反移民・難民を掲げて存在感を増すウィルダース党首(53)率いる極右、自由党が第一党をうかがう中、「寛容の国」とも呼ばれてきたオランダには静かに緊張感が広がっていた。(ハーグ 宮下日出男)

捨て置かれた国民

 オランダ・ハーグ北西部の北海沿岸のダインドルプ地区。魚店を営むビレム・フリートさん(63)は選挙情勢を聞かれると、きっぱりと答えた。「ウィルダース氏に期待する。彼は捨て置かれた国民に目を向けている」

 フリートさんはこの漁師町で約40年、魚を扱ってきた。近年、目にしてきたのは欧州連合(EU)の漁業規制や他の加盟国からの輸入品に押され、廃業する漁師や加工業者たちだ。今ではハーグで失業者が集まる低所得層の地区とされる。

 国全体では2008年の経済危機の影響を脱しつつあるが、「恩恵を受けるのは教養のあるエリートだけ」(フリートさん)。緊縮財政の下で医療費の自己負担増など高福祉も削られた。「難民に使う金は国民に回すべきだ」と憤る。

会員限定記事会員サービス詳細