日本で保護の流出文化財をカブールでお披露目

日本で保護の流出文化財をカブールでお披露目
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 内戦の混乱期にアフガニスタンから不法に持ち出され、画家の平山郁夫氏(1930〜2009年)の主導で日本で保護されていた流出文化財が、同国に晴れて返還されたのは昨夏のこと。首都カブールのアフガニスタン国立博物館で先月13日から、里帰りした文化財を一般公開する展覧会が開かれている。

 返還された102点のうち、アフガン北部のアイ・ハヌム遺跡から出土した彫刻「ゼウス神像の左足」やバーミヤン石窟からはぎ取られた壁画断片など42点を展示。いずれも、シルクロードの拠点として栄え、「文明の十字路」と呼ばれたアフガン文化の多様性を物語るもの。モハマド・ファヒム・ラヒミ館長は「アフガン史にとって非常に重要な文化財。多くの市民に見てほしい」と語るとともに、「平山先生と日本の皆さまに感謝します」と改めて謝意を示した。夏ごろまで展示する予定という。

 こうした文化財は、旧ソ連軍の撤退完了(1989年)後の内戦下で横行した略奪や、2001年のタリバン政権によるバーミヤン遺跡の大仏破壊をきっかけに、国外に流出。シルクロードを生涯描き続けた日本画の巨匠で、ユネスコ親善大使だった平山氏はその惨状に心を痛め、2001年に「流出文化財保護日本委員会」を設立。闇市場などを通じて日本に流入した文化財を保護、アフガンに平和と安定が訪れたときに返還することを提唱していた。

 こうした貢献をたたえ、アフガン政府は平山氏に文化分野では最高位にあたる勲章を授与。2月13日に行われた開幕式で、平山氏の遺族の代わりに鈴鹿光次・駐アフガン大使に手渡された。